不甲斐無いオレ達は、結局、生前にヨーコさんと交わした3つの約束を、何ひとつ果たせていない。
そのうち2つはもう破ったまま、果たす事は出来ない。
まだ何もかもが未熟で、荒削りで、勢いだけだったダメダメなチンピラバンドのオレ達の歌に耳を傾けてくれて、
オレ達の前のめりな姿とロックンロールを愛してくれて、
そしてそれを生きる糧(かて)、心の糧(かて)にしてくれたヨーコさん・・・。
「いつだって全力投球でいこうね」と優しく笑いかけてくれたヨーコさん・・・。
ステージの上のオレ達も楽しくなってくる程、いつも本当に楽しそうに聴いてくれていたヨーコさん・・・。
そんなヨーコさんにオレ達はどれだけ"力"をもらった事か・・・。
知り合った頃はまだ全然人気もなくて、ライブをやっても人はまばらだったけれど、
ヨーコさんとの出会いは、明らかにオレ達の「自信」と「力」になり、その後はワンマンライブばかり出来る程人気も出て、解散するまで、いつもたくさんの人が聴きに来てくれるようになった。
けれど、どれだけ若い熱狂的なファンがついて、前列をワーワーキャーキャーのグルービーに囲まれるようになっても、
その若いグルービー達の弾けまくっている少し後ろで、いつも楽しそうに笑いかけてくれていたヨーコさんの姿を
オレ達はいつも見つけては安心してたんだ。
なのに、オレ達はヨーコさんに何の恩返しも出来なかった。
悔やんでも・・・悔やんでも・・・
悔やみきれない。
だから、残されたたったひとつの約束に思いを込めてる。
ヨーコさんはいつも言ってくれてた。
「なんでこんな良いバンドが売れないの・・・!?、」
「みんな知らなさすぎるよ。もっともっと多くの人達が"BCG ROCKERS"を知ってくれて聴けばいいのに・・・。そしたら絶対に有名になってBIGになるよ・・・」と。
ヨーコさん、オレ達復活して以降も、ホント頑張ってるよ。
だけど、まだまだみんなオレ達の事を知らなさすぎるみたいだ。
オレ達とヨーコさん達との思い出のいっぱいつまった古巣のライブハウス「BLOW DOWN」も無くなってしまって、
ヨーコさんがいつも照れくさそうにこっそりと観に来てくれてたアメリカ村の三角公園での路上ライブも出来なくなってしまって、
予想以上に苦戦をしいられてはいるけれど、
まだまだ勝負はこれから・・・。
ヨーコさん、観ててよ、聴いててよ。
届け、オレ達のロックンロール・・・!!。